築6年ほどの比較的新しい木造住宅であっても、基礎コンクリートにひび割れ(クラック)が見られることがあります。
新築から年数が浅い段階で現れるひび割れは、コンクリートが硬化・乾燥する過程で生じる収縮などによって発生するケースが珍しくありません。
今回点検に入った海老名市の住宅でも、床下の基礎立ち上がり部分に縦方向のひび割れが確認されました。
基礎の外周だけでなく、床下に潜って初めて確認できるクラックも存在します。
床下内部のコンクリート表面や断熱材は年数相応に良好な状態を保っていましたが、将来的なクラックの拡大や耐力への影響を考慮し、ひび割れ補修と基礎補強を行うことになりました。
- 築6年の住宅において、床下の基礎立ち上がりに発生した縦方向のクラックを確認
- 床下の排水配管が走る基礎立ち上がり面に対し、25cm幅のアラミド繊維シートを選定して面補強
- 配管裏の限られた作業スペースでも、専用の道具と丁寧な下地処理によって施工精度を確保
基礎コンクリートにアラミド繊維シートを選定した理由
今回の現場では、基礎コンクリートそのものの粘り強さを補う施工を行いました。
基礎立ち上がり面に「アラミド繊維シート」による補強を行いました。
今回は基礎の高さ寸法や配管の位置関係を考慮し、25cm幅のシートを採用しています。
アラミド繊維シートを選定した理由は、基礎に厚みを出さずに高い引張補強効果を得られる点にあります。
鉄骨を入れたりコンクリートを打ち増ししたりする工法では、床下の空間が狭まり、既存の設備配管と干渉してしまいます。
厚さ1mmに満たない繊維シートをエポキシ樹脂で固める工法であれば、床下の配管設備を動かすことなく、基礎立ち上がりの耐力を補うことが可能です。
築浅の基礎だからこそ、将来の建物の動きに追従できるよう繊維シートで面として補強する判断を取りました。
排水配管が近接する床下での施工手順と作業上の配慮
床下に進入すると、基礎立ち上がりに太いグレーの管がありました。
基礎面と配管の周りは細かい作業が要求される場所です。
このような場所では、作業の雑さや塗り残しが施工不良に直結します。
以下の工程を一つひとつ確実に進めました。

基礎表面に付着した微細な粉塵や油分を清掃し、下処理剤であるプライマーを塗布します。
コンクリートと補強樹脂の密着性を左右する工程のため、配管の近くも塗り残しがないようライトで照らしながら作業を進めます。

中塗り用の保護・補強剤を塗布した直後、25cm幅のアラミド繊維シートを基礎面に配置します。
配管上もシートがたるんだり折れ曲がったりしないよう、気泡を押し出しながらしっかりと基礎へ圧着させます。

貼り付けたシートの上から、再び保護・補強剤を重ね塗りします。
繊維の編み目の中に樹脂を完全に浸透させ、表面に滑らかな保護層を形成することで、外気や湿気によるコンクリートの劣化進行を防ぎます。

狭い床下内での作業中、既存の給排水配管に過度な荷重や衝撃を与えないよう慎重に取り回しました。
上塗りが硬化すると、基礎表面にはグレーの光沢を持つ均一な補強層が出来上がります。
配管の近くもシートが浮くことなく基礎面に定着していることを確認し、施工を完了しました。
海老名市の住宅基礎補強に関するよくある質問(FAQ)
まとめ:築年数だけで判断せず、床下の状況にあった適切な処置を
今回の海老名市の現場では、築6年の木造住宅において見られた基礎クラックに対し、25cm幅のアラミド繊維シートによる補強工事を実施しました。
基礎の近くに管が通る作業環境でしたが、下処理剤と保護補強剤を用いた多層工程を丁寧に進めることで、確実な施工を行っています。
築年数がまだ浅い段階で基礎にクラックが見つかると、構造的な欠陥ではないかと過度な不安を抱く方もいらっしゃいます。
しかし、クラックの性質や床下の配管状況によって、適切な対処法や施工範囲は異なります。
不要に大がかりな工事を勧められたり、逆に放置を指示されたりして判断に迷った際は、床下全体を客観的に観察し、根拠のある診断ができる専門家にセカンドオピニオンを求めることをおすすめします。
