築19年という時期は、住宅にとってひとつの節目にあたります。
新築から20年近くが経ち、外壁や屋根のメンテナンスは意識していても、普段目にすることのない床下の基礎コンクリートがどうなっているかまでは把握しにくいものです。
今回ご紹介するのは、古河市にある築19年の住宅で行った床下基礎の施工事例です。
床面全体にコンクリートが打設されたベタ基礎の住宅で、床下空間に潜り、内側の立ち上がり部分を中心に「基礎コンクリート中性化抑止工事」と「アラミド繊維シートを用いた基礎コンクリート補強工事」を実施しました。
まだ築20年未満で大きな破損が見られない段階であっても、床下の基礎内側では経年による変化が少しずつ進んでいます。
今回の現場で確認した状態と、実際の作業工程について記録します。
- 古河市の築19年、ベタ基礎住宅にて、床下の立ち上がり基礎内側に中性化抑止処理とアラミド繊維シート補強を実施。
- 最初に中性化抑止工事を行いコンクリートの中性化を抑える下地を作ってから、補強工程へ移行。
築19年の床下基礎で確認した状態と「中性化抑止」の判断
今回の床下はベタ基礎構造で、床面(スラブ)から立ち上がり部分にかけて、極端な欠損や大きなひび割れが起きている状態ではありませんでした。
ただ、築19年という年月が経過していることもあり、立ち上がりコンクリートの表面には、部分的な色ムラや細かな擦れ、うっすらとした変色が見られました。
コンクリートはもともと強いアルカリ性を持っており、その性質によって内部の鉄筋が錆びるのを防いでいます。
しかし、空気中の二酸化炭素などに長年触れ続けることで、表面から少しずつアルカリ性が失われる「中性化」が進んでいきます。
これは建物の内側である床下でも例外ではありません。
築19年という築年数は、古い住宅のように内部の鉄筋が錆びてコンクリートを押し出すような深刻な状態には至っていないケースが多いです。
一方で、何も手を加えなければ、今後10年、20年と経過する中で中性化が内部へ進行していくタイミングでもあります。
そのため今回は、中性化抑止工事を行う工程から入りました。
まずはコンクリート自体の劣化進行を抑える処理を施し、その上で構造的な補強へと進みました。
配管や鋼製束が入り組む場所でのアラミド繊維シート施工
中性化抑止工事を終えた後、同じ床下の立ち上がり部分に対して、25cm幅のアラミド繊維シートを用いた補強工事を行っています。
実際の補強工程は、以下の手順で進めました。

中性化抑止処理を行った基礎の表面に、下処理剤を塗布します。
後から貼るシートとコンクリートをしっかり密着させるための接着層を作る工程です。床面との取り合い部分まで塗り残しがないよう進めます。

保護・補強剤を中塗り材として塗布し、その上から25cm幅のアラミド繊維シートを基礎の立ち上がり面に沿って貼り付けます。
シートに樹脂をしっかりと含浸(しみ込ませること)させ、基礎の凹凸や角に追従させます。

シートの上から保護・補強剤を上塗りとして重ねます。
シートの表面が保護剤で均一に覆われ、乾燥すると基礎と一体化した強固な補強層が形成されます。

よくある質問(FAQ)
まとめ:築20年前後の床下基礎は「現状に合わせた処置」の見極めが大切
今回の古河市・築19年の住宅における床下施工のポイントを整理します。
- 築20年手前のベタ基礎において、深刻な劣化が生じる前の段階で「ハイドロスカイ」による中性化抑止処理を実施したこと。
- 下処理剤(PS-10G)と保護・補強剤(PE-10GII)を用い、25cm幅のアラミド繊維シートを床下の立ち上がり基礎へ密着施工したこと。
- 排水管や鋼製束が密集する狭小スペースでも、配管の裏側までシートと塗料を回り込ませて均一に仕上げたこと。
築15年〜20年ほどの住宅では、点検業者から床下の基礎工事を提案された際に「今の状態で本当にここまでの工事が必要なのか」「提示された工法が自宅の基礎に合っているのか」と迷われるケースが少なくありません。
基礎の状態は築年数だけで決まるものではなく、床下の環境や構造によって必要な処置も変わります。もし他社から床下の基礎補強を指摘されて判断に迷っている場合は、現在の基礎の状態と提案内容が釣り合っているか、一度客観的な視点で確認してみることをおすすめします。
