東京都練馬区にある築33年の住宅で、外基礎の補強工事を行いました。
今回施工したのは、建物外周に面した、横に長く伸びる外基礎の立ち上がり部分です。
築30年を超えた木造住宅が建ち並ぶ練馬区周辺の住宅街では、外壁の塗り替えなどは済ませていても、地面に近い基礎の立ち上がりまでは手が入っていないケースをよく見かけます。
今回の現場でも、大きく崩れているような箇所こそなかったものの、33年という歳月を経て基礎表面の経年変化が進んでいました。
そこで、コンクリート内部の変質を抑える処置と、外側から面で支える補強を組み合わせて施工しています。
- 東京都練馬区の築33年住宅で、外周の横に長い基礎立ち上がり部分を施工
- 表面から進むコンクリートの「中性化」を抑えるため、下地段階で中性化抑止工事を実施
- 基礎の立ち上がり高さに合わせ、25cm幅のアラミド繊維シートを横一列に貼り付けて一体化
築33年の外基礎で確認した状態と「中性化」への備え
外基礎は、床下の基礎と違って雨風や紫外線、外気の二酸化炭素に常にさらされ続けています。
今回の練馬区の現場でも、横長の立ち上がり部分を近くで観察すると、長年の経年劣化によってコンクリート表面の乾いた質感や色ムラが見られました。
築33年が経過した基礎を見る際、私たちが気にかけているのが「コンクリートの中性化」です。
コンクリートは本来、強いアルカリ性を持っており、その性質によって内部の鉄筋が錆びるのを防いでいます。
ただ、外気に触れ続けることで表面から少しずつアルカリ性が失われ、中性に近づいていきます。
これが進行して内部の鉄筋にまで達すると、鉄筋が錆びて膨張し、やがてコンクリートを内側から押し割ってしまう(爆裂現象)原因になります。
今回の横長の外基礎では、表面が激しく剥がれ落ちるような段階には至っていませんでしたが、築年数を踏まえると、コンクリートそのもののアルカリ性を回復・維持させる「基礎コンクリート中性化抑止工事」から作業を行うことにしました。
施工にあたっては、基礎の下にあるインターロッキング舗装を汚さないよう、緑の養生テープとビニールシートで足元を端から端まで保護しました。
横に長く伸びる外基礎へのアラミド繊維シート施工
中性化抑止工事を終えたあと、同じ横長のラインに対して「基礎コンクリート補強工事」を実施しました。
今回は、基礎の立ち上がり面に沿って「25cm幅のアラミド繊維シート」を横方向へ連続して貼り付ける方法をとっています。
外基礎の立ち上がりは、建物の荷重を受け止めつつ外周を囲む部分です。
ここを帯状に途切れなくカバーすることで、基礎の表面を保護しながら一体性を高める狙いがあります。
実際の作業は、以下の4つの段階を踏んで進めました。
中性化抑止材が馴染んだ状態を確認し、基礎が汚れないように丁寧に葉状を行いました。

下処理剤を横長の基礎全体にローラー等で塗っていきます。
これを塗ることで、後から貼るシートと基礎コンクリートの密着性が高まります。

保護・補強剤を塗り、25cm幅のアラミド繊維シートを基礎のラインに合わせて貼り付けます。
空気が入らないよう押さえ込みながら、樹脂を繊維にしっかり含浸させました。

シートの上から再度、保護・補強剤を重ね塗りします。
黄色いアラミド繊維が完全に隠れ、落ち着いたグレーの保護層が形成されたら養生を剥がして完了です。

今回の箇所は、上の外壁と下のインターロッキングに挟まれた細長い面でした。
また、施工箇所が生活動線上の通路だったため、養生のビニールが風でめくれてレンガ調の床材に樹脂が垂れないよう、足元のテープ留めにはかなり気を使いました。
今回の施工に関するよくある質問(FAQ)
まとめ:経年した外基礎は「内部の変質」と「表面の保護」の両面から見る
東京都練馬区の築33年住宅における、横長の外基礎補強事例をご紹介しました。
今回の現場でのポイントを整理すると、以下のようになります。
- 外気にさらされ続けた築30年以上の外基礎では、見た目の割れだけでなく「中性化」の進行を考慮する必要がある
- 横に長い立ち上がり面には、25cm幅のアラミド繊維シートを帯状に連続して貼り付けることで、無理なく均一な補強を行える
- 基礎下端の開口部や地面が汚れたり埋まらないよう、施工範囲の設定や保護が大切になる
外基礎は普段から目に入りやすい場所だからこそ、「少し表面が古くなってきたけれど、今すぐ工事が必要なのか分からない」「他の業者に指摘されたが、本当にその工法が合っているのか判断できない」と迷われる方も少なくありません。
基礎の状態は、築年数だけでなく立地やこれまでのメンテナンス履歴によって一軒ごとに異なります。
まずは現在の基礎がどのような状態にあるのか、現場を落ち着いて確認し、客観的な視点から必要な処置を見極めることが大切です。
