今回は、神奈川県鎌倉市におおよその築年数が52年となる住宅の基礎補強に入りました。
築年数が50年を超えてくると、基礎の表面が劣化して脆くなっていたり、細かなひび割れが複数発生していたりすることは珍しくありません。
また、鎌倉市は海や山が近く、今回の物件も潮風を感じる山の途中に建てられており、地形的にも湿気が滞留しやすいエリアでした。
床下に入って確認すると、やはり土壌が湿気を帯びており、基礎コンクリートの表面にも経年による劣化のサインが見受けられました。
そのため今回は、基礎そのものを面で補強するアラミド繊維シートの施工に加え、床下環境を改善するための調湿マット敷設を同時に行う判断をしています。
- 築52年の経年劣化に対し、アラミド繊維シートで基礎全体を面で補強した
- 鎌倉の土地柄を考慮し、床下全面に調湿マットを敷き詰めて湿気対策を行った
鎌倉の土地柄と床下環境が基礎に与える影響
基礎コンクリートは頑丈なように見えて、実は水分や湿気の影響を少しずつ受けて変化していきます。
今回の現場は鎌倉市ということもあり、立地的に海からの潮風や、山沿いの湿気が床下に溜まりやすい環境でした。
床下の土壌から常に湿気が上がり続けると、コンクリートの内部まで水分が浸透しやすくなります。
築52年という年月を考えると、長期間にわたって湿気に晒され続けた影響から、コンクリートの中性化が進みやすくなっている状態でした。
中性化が進むと基礎は本来の強度を維持しにくくなります。
床下にもぐった際、土の湿り気と空気の重さを感じました。
単に基礎を固めるだけでなく、この「湿気」をどうコントロールするかが今回の施工の肝だと判断しました。
築52年の基礎にアラミド繊維シートを選んだ理由
今回の基礎の状態を見ると、表面に細かなひび割れや、モルタル表面の劣化が確認できました。
このような築年数が経過した基礎の場合、目に見えるひび割れだけを樹脂で埋めても、基礎全体の強度が低下している状態では別の場所に新たな負担がかかることがあります。
そのため、今回はひび割れの処理だけでなく、基礎の側面にアラミド繊維シートを貼り付け、特殊な樹脂で一体化させる工法を選択しました。
アラミド繊維シートを貼り付けることで基礎が面として補強され、これ以上劣化が進行してコンクリートが崩れやすくなるのを抑えることができます。
実際の施工手順と現場での工夫
今回の施工では、基礎の補強と並行して床下の環境改善を行いました。
実際の作業手順に沿って、現場で行った処置を解説します。

まずは基礎表面の汚れや脆弱な部分を整え、下処理剤(プライマー)を塗布します。
築年数が経っている基礎は表面が粉っぽくなっていることも多いため、樹脂がしっかりと奥まで食いつくように丁寧に塗り込んでいきます。

次に、保護・補強剤を塗り、その上からアラミド繊維シートを貼り付けます。
床下は配管が通っていたり、束柱があったりと作業スペースが限られます。
シートに空気が入らないよう、専用のローラーを使って狭い隙間まで確実に樹脂を含浸させました。

アラミド繊維シートを貼り付けた後、その上から再度保護・補強剤をたっぷりと塗布します。
これは単に上から色を塗るわけではなく、シート全体に樹脂を完全に含浸・被覆させることで、基礎とシートを強固に一体化させる重要な工程です。

基礎の補強作業を終えた後、床下の土台部分全面に「グレートバリアマット」という調湿剤を敷き詰めました。
これにより、土壌から上がってくる湿気を抑え、湿気による床下の悪影響(カビや木部劣化など)を整えました。
床下の基礎補強と湿気対策に関するよくある質問
まとめ:築年数と環境に合わせた適切な処置を
今回の鎌倉市での事例は、築52年という経年劣化に加え、地域の特性である湿気の多さが基礎に影響を与えていた現場でした。
目に見えるひび割れだけを気にするのではなく、床下全体の環境(湿気)を把握し、基礎全体の強度を補うアラミド繊維シートと、湿気をコントロールする調湿マットを組み合わせたことで、今後の建物を支えるための適切な処置ができたと考えています。
ご自宅の基礎に不安を感じた場合、ご自身で判断するのは難しいため、床下環境を含めた客観的な現状の把握が大切です。
基礎の劣化を指摘されて不安に思われている方は、一度冷静になり、専門的な見地からの確認をご検討ください。
