【東京都北区|築23年】高さ75cmの基礎立ち上がりを基礎補強した事例

東京都北区にある築23年の床下基礎の補強前

東京都北区にある築23年の戸建て住宅で、床下の基礎コンクリート補強工事を行いました。

北区周辺は台地と低地の境目が多く、坂道や高低差のある敷地に建つ住宅が少なくありません。

今回の現場も道路や隣地との間に傾斜がある立地で、建物の位置によって基礎の立ち上がりが大きく異なる構造をしていました。

床下へ入って確認すると、場所によっては基礎の立ち上がり幅が75cmに達する非常に高い面がある一方、給排水管が何本も交差して25cm幅のスペースしか取れない区画もありました。

築23年という時期は、新耐震基準以降の建物であってもコンクリートの経年変化が少しずつ表面に出始める頃合いです。

今回は基礎の高さや床下の配管状況に合わせ、アラミド繊維シートの幅を使い分けて補強を行っています。

この記事の結論
  • 東京都北区の傾斜地に建つ築23年戸建てにて、基礎コンクリートの保護・補強工事を実施
  • 高低差のある敷地のため、立ち上がりが75cmある高い基礎面には75cm幅のアラミド繊維シートを採用
  • 配管が密集する段差箇所には25cm幅のシートを用い、障害物を避けながら密着施工を実施
  • 下処理剤と保護・補強剤を重ね、基礎面全体を一体的に保護
目次

築23年・高低差のある敷地で見られた基礎の特徴

築20年を超えた住宅では、普段目にする外周の基礎だけでなく、床下側のコンクリート表面にも乾湿の繰り返しや経年による変化が現れます。

築23年という年数は、建て替えを考えるにはまだ早いものの、今後さらに20年、30年と建物を維持していくためのメンテナンスを検討し始める時期にあたります。

今回の住宅で特徴的だったのは、床下の空間の高さです。

敷地の傾斜に合わせて基礎が深く造られており、床下の広い区画では子供の背丈に近いほどの空間があり、基礎の立ち上がり高さが75cmもありました。

一般的な住宅の基礎立ち上がりは30cm前後が多いため、75cmという高さはかなり珍しい部類に入ります。

これだけ立ち上がりが高いと、建物を支える基礎コンクリートの面積そのものが広くなり、通常の基礎よりも負荷がかかります。

施工前の基礎表面には経年による色ムラや細かな凹凸が見られ、広い面積をどのように隙間なく補強するかが現場でのポイントになりました。

75cm幅と25cm幅のアラミド繊維シートを使い分けた施工判断

今回の工事では、基礎の場所ごとの高さや障害物の有無に合わせて、使用するアラミド繊維シートの幅を2種類に分けています。

立ち上がり75cmの広い基礎面への施工

床下の広い区画では、75cm幅のアラミド繊維シートを使用しました。

高い基礎に対しては専用のシートが存在しないため、25cm幅のアラミド繊維シートを3段にする方法をとりました。

重ね合わせの継ぎ目は作業のムラが出やすいので、どれだけ継ぎ目を無くすかがプロの腕の見せ所です。

また、この75cm幅の基礎面には、床を支える木製の柱が基礎に接するように立っていたり、塩ビの排水管や白い配管が基礎を横切るように固定されていたりする箇所がありました。

配管の支持金具や木柱の周り、換気口の枠まわりなどのシートが浮きやすい場所は、事前に障害物の位置に合わせてシートの切り込みや納まりを確認し、コンクリート面とシートの間に空気が残らないよう押さえ込みながら貼り付けていきました。

配管が入り組む25cm幅の基礎面への施工

一方で、水回り付近の床下は手前に白い給湯・給水管やグレーの排水管が複数交差していました。

ここは75cm幅の区画とは対照的に、配管の隙間から手を伸ばして作業するスペースしかありません。

基礎の上段部分の高さに合わせて25cm幅のアラミド繊維シートを選び、配管の裏側まで届くよう手順を組んで施工しています。

基礎の高さが75cmある場所は、シートを3数重ねるので、中塗り材を塗ったあとにシートがズレないよう端から順に空気を抜いて密着させました。
逆に25cm幅の箇所は配管が手前に張り出していたので、配管裏の塗り残しやシートの浮きが出ないよう手元を確認しながら作業を進めています。

今回の基礎コンクリート補強工事の工程

東京都北区にある築23年の床下基礎の補強前
施工前
STEP
下塗りプライマーの塗布

基礎表面のホコリや汚れを取り除き、下地処理ができる状態に整えます。換気口まわりや木柱との取り合い部分、配管の固定金具周辺も事前に確認します。

下処理剤を基礎コンクリート表面に塗布します。
コンクリートに下処理剤を浸透させることで、後から塗る補強剤やアラミド繊維シートとの密着性を高めます。

東京都北区にある築23年の床下基礎補強工事の下塗り工程
STEP
中塗り・アラミド繊維シートの貼り付け

保護・補強剤を中塗りし、25cm幅のアラミド繊維シート3枚をそれぞれの基礎面に貼り付けます。
シートの繊維に樹脂をしっかり含浸させ、凹凸や隅の部分まで浮きがないように馴染ませます。

東京都北区にある築23年の床下基礎補強工事のアラミド繊維シート貼り付け工程
STEP
上塗り仕上げ

シートの上から再度保護・補強剤を上塗りして仕上げます。
表面を均一にコーティングすることで、アラミド繊維シートと基礎コンクリートを一体化させて保護します。

東京都北区にある築23年の床下基礎補強工事の上塗り工程

よくある質問(FAQ)

基礎の高さが75cmある場合、通常の基礎と施工方法は変わりますか?

使用する材料や基本的な工程は同じですが、貼るシートの幅や作業の手順が変わります。
今回は25cm幅のアラミド繊維シートを3枚使用し、広い面でも継ぎ目を減らして一体的に補強できるよう施工しました。

築23年だと、基礎補強はまだ早いのでしょうか?

築年数だけで早すぎる・遅すぎるということはありません。
今回のように築23年であっても、敷地の高低差があって基礎の負担が大きい構造や、今後の長期的な居住を見据えてコンクリート表面の保護・補強を行うケースは多くあります。
劣化が深刻化する前に手を入れることで、大掛かりな欠損補修をせずに済む点も特徴の一つです。

床下に配管が多くてもアラミド繊維シートは貼れますか?

配管と基礎の間に作業できる隙間があれば施工は可能です。
今回の現場でも、複数の配管が交差する場所や基礎のすぐ手前を塩ビ管が通っている場所がありましたが、配管の裏側まで下塗り材や補強剤を塗り込み、シートを密着させています。

まとめ:敷地の高低差や基礎の形状に合わせた補強計画を

今回の東京都北区の事例では、築23年の住宅において、傾斜地特有の75cmという高い基礎立ち上がりと、配管が密集する25cm幅の区画それぞれに合わせたアラミド繊維シート補強を行いました。

同じ一棟の住宅であっても、床下に潜ってみると場所によって基礎の高さや配管の通り方は大きく異なります。
特に高低差のある土地に建つ住宅では、外から見える基礎と床下から見る基礎の印象が違うことも珍しくありません。

もし他社から床下の基礎補強を提案されて迷っている場合は、単に「築年数が経っているから」という理由だけでなく、自宅の基礎の高さや形状、配管周りの納まりまで具体的に確認した上での提案かどうかを見極めることが大切です。

現状の診断内容や見積もりの範囲が適切か判断に迷う際は、一度第三者の視点を取り入れて比較してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次