埼玉県志木市にある築5年の木造住宅で、床下の基礎コンクリートの補強工事を行いました。
築5年というと住宅としてはまだ新しい時期ですが、定期点検などで基礎の状態を確認する初めてのタイミングの方もいるでしょう。
今回の現場は、床全面にコンクリートが打設されたベタ基礎構造で、床下には複数の鋼製束や太い排水管、給水管が通っていました。
作業スペースが限られる床下空間、特に配管が基礎のすぐ手前を横切っている場所では、通常の広い面と同じやり方ではシートをきれいに貼ることができません。
今回の現場でどのように配管周りの処理を行い、基礎の立ち上がりへアラミド繊維シートを施工したのか、実際の作業工程に沿って記録します。
- 対象物件と施工箇所:埼玉県志木市の築5年住宅における床下基礎(内周立ち上がり部分)の補強工事
- 採用した工法:下処理剤と保護・補強剤、25cm幅のアラミド繊維シートを用いた積層補強
- 現場での技術的対応:排水管の固定金具や縦管が密集する箇所でも、配管裏まで樹脂とシートを回り込ませて密着性を確保
築5年の床下環境と配管周りの基礎状態
今回の現場である埼玉県志木市は、荒川や新河岸川、柳瀬川といった河川に囲まれた地形を持つエリアです。
そうした土地柄もあり、築年数が浅い段階から床下の状態や基礎の耐久性に目を向ける住宅所有者は少なくありません。
実際に床下へ入って確認すると、築5年ということもあり、ベタ基礎の底盤や木部の状態はきれいでした。
一方で、水回り設備の下にあたる区画では、基礎の立ち上がり面に沿うようにグレーの太い塩ビ排水管が横引きされ、さらに青色の給水管が床下から上部へと斜めに立ち上がっています。
床下の基礎補強では、こうした設備配管や鋼製束が作業の障害物になります。
ただ、水回りの配管が集中する区画は、将来的に万が一の水漏れや湿気の影響を受けやすい場所でもあるため、「狭いから塗れない・貼れない」と省くわけにはいかない重要な場所です。
配管や鋼製束が並ぶ狭小部での施工判断と手順
今回の床下施工では、基礎立ち上がりの高さを考慮し、25cm幅のアラミド繊維シートを選びました。
何もない直線部分(大引きと鋼製束のみの区画)であれば、ロール状のシートを横に引き伸ばしながら一気に貼り進めることができます。
しかし、排水管が基礎の目の前を塞いでいる区画では、ローラーの柄などが配管に当たってしまい、正面から力をかけることができないため、慎重に作業を進めました。

基礎コンクリートの表面に付着している細かな粉塵を清掃したあと、下処理剤を塗布します。
配管の固定金具まわりや、排水管と基礎が接近している裏側へは、角度を変えながら下地を作りました。

プライマーの乾燥状態を確認してから、保護・補強剤を中塗りし、25cm幅のアラミド繊維シートを貼り付けます。
縦管を基礎に固定している金属バンドの部分や、配管が交差する奥まった箇所は、配管と基礎の隙間にシートを滑り込ませ、ヘラや短柄のローラーなどを使って空気を押し出しながら密着させています。

シートの上から再度保護・補強剤を塗り重ね、繊維の織り目に樹脂をしっかりと含浸させます。
上下の端部や配管の裏側まで樹脂が均一に馴染んでいるかをライトで照らして確認し、施工完了としました。

床下の配管周りは、寝転んだ姿勢でパイプの隙間から腕を伸ばして作業するため、一番手間がかかる場所です。
特に基礎から数センチしか離れていない排水管の裏側は、シートにシワや浮きが出やすいので、中塗りの樹脂をなじませる際の手応えを確かめながら丁寧に圧着しています。
よくある質問(FAQ)
まとめ:床下の基礎補強は「配管裏や狭小部の処理」で仕上がりが変わる
今回の埼玉県志木市(築5年)の施工事例におけるポイントは以下になります。
- 築浅のベタ基礎でも、水回りの配管が密集する区画は施工の難易度が上がる
- 基礎の立ち上がり寸法に合わせ、25cm幅のアラミド繊維シートを採用した
- 排水管の固定金具や横引き管の裏側など、正面からローラーが当たらない場所も省かずに下塗りから上塗りまで3工程で仕上げた
床下の基礎は普段目にすることがないため、点検業者などから突然補強を提案されると、「本当に補強が必要なのか」「狭い床下でちゃんとした工事ができるのか」と迷われる方も少なくありません。
基礎補強を検討する際は、築年数や言葉の説明だけで判断するのではなく、実際の床下写真で「今どのような状態なのか」「配管周りなどの細かい場所までどう施工するのか」を客観的に確認することが大切です。
他社から床下の工事を指摘されて判断に迷っている場合は、現在の基礎状態が本当に補強を必要としているのか、一度専門家の視点から確認してみることをおすすめします。
