今回の現場:築1年の住宅における基礎ひび割れ
茨城県神栖市にて、注文住宅のメーカー様(法人)よりご依頼を受け、基礎の補強工事を実施しました。
対象となる物件は「築1年」と非常に新しい住宅です。
一般的に、築年数が浅い住宅であれば基礎に問題はないと考えられがちですが、施工不良などにより、初期段階でひび割れ(クラック)が発生することは珍しくありません。
今回はメーカー様のご依頼に基づき、発見されたひび割れに対して、単なる表面の化粧直しではなく、専用の樹脂や繊維シートを用いた本格的な施工を行っています。
- 築1年の物件でも、状況に応じてひび割れの内部充填と表面補強を行うケースがある
- ひび割れ内部へ確実に材料を届けるため、穿孔(せんこう)によるエポキシ樹脂注入を採用
- 基礎表面には25cm幅のアラミド繊維シートを貼り付け、基礎の引張強度を補強
クラック内部を一体化させるエポキシ樹脂注入の判断
現場で基礎を確認すると、縦方向に伸びるひび割れがありました。
今回、このひび割れに対しては「穿孔注入」という工法を選んでいます。
ひび割れの表面に沿ってパテを塗るだけでは、コンクリート内部の奥深くにある隙間までは埋まりません。
そのため、ひび割れ部分に一定間隔でドリルで専用の器具をセットし、エポキシ樹脂を内部まで圧力をかけて充填しました。
ひび割れの幅や深さは一箇所ずつ異なります。
注入時に樹脂がどれくらい入っていくかを確認しながら、コンクリート内部の隙間がしっかりと埋まり一体化するように作業を進めました。
アラミド繊維シートを用いた施工範囲の考え方
エポキシ樹脂でひび割れ内部を埋めた後、その表面部分に「アラミド繊維シート」を施工しました。
今回は基礎全体をシートで覆うのではなく、ひび割れが発生していた箇所を中心に、25cm幅のアラミド繊維シートを部分的に貼り付けています。
なぜこのシートが必要だったのかというと、樹脂注入によってひび割れ自体は塞がりますが、コンクリートが引っ張られる力に対して、基礎そのものの強度を面で補うためです。
下処理剤を塗布したうえでシートを貼り付け、さらに上から保護・補強剤を塗り重ねることで、基礎とシートを完全に密着させています。
実際の施工手順と現場での作業
今回の基礎補強および表面保護の工程は、以下のように進めました。
ひび割れ箇所にプラグを打ち込み、

エポキシ樹脂を注入します。

注入後は表面を平滑に整えます。


プライマー(下塗り)を塗布し、

25cm幅のアラミド繊維シートを貼り付け、

さらに上塗りで保護します。

今回の現場に関するよくある質問
まとめ:状態に合わせた適切な材料と工法の選定
今回の神栖市の現場では、築1年という物件に対し、ひび割れ内部へのエポキシ樹脂注入と、アラミド繊維シートによる表面補強を組み合わせて実施しました。
施工を振り返ると、以下の点がポイントでした。
- 表面を塞ぐだけでなく、穿孔してエポキシ樹脂を内部まで充填したこと
- 25cm幅のアラミド繊維シートで、対象箇所の引張強度を的確に補ったこと
築年数が浅い住宅であっても、コンクリート打設時の施工不良などによる予期せぬ変化が起きることはあります。
重要なのは「築浅だから大丈夫」と思い込まず、実際の基礎の状態をプロの目で確認し、その状況に最も適した材料と範囲を見極めることです。
もしご自宅の基礎に気になるひび割れや症状を見つけた際は、そのままにせず、客観的な診断を受けることをお勧めします。
